クマさんの日記

研究のこと、科学のこと、思ったことをメモ帳代わりに殴り書きするだけのブログです。

個人的に楽しめる美術作品の鑑賞方法

前回の記事で生物はひとつのマシンと言ってましたが、マシンというひとつの個で動いているよりは無数の個が相互作用で動いており、生体活動という現象を起こしているという認識もあるんだと学びました。まぁよく考えたらそうよな、人の体の9割は細菌だし、細胞も一つの命でもあるし、それらが活動できているのは外部環境との刺激応答やエネルギーによるものだから、孤立しているわけではないんだよな。

 

てことで今回は上記の話について、ではなく美術鑑賞についてちょっとだけ話します。

 

僕は時間があるなら休日に美術館にいって散歩感覚で作品を見ています。金沢駅の地下にも時々美大生や高校生の作品が展示されていることがありますので、それも見に行ったりしてますね。時間があれば。

 

ただ漫然と見て、直感的に楽しむのもありですが、それだけだと何が楽しいのかわからなくなることもなくはないので、ちょっとした思考ゲーム(?)的なことを意識して作品を見るようにしています。

 

これは本を読んで得た知見ですが、作品から何を見て何を感じとり、そこからどう想像できるかを交互に行うと、より作品を頼めるようになったり、穿った見方ができるようになったりします。要は意見と事実を行き来させて考えますが、簡潔に言うと、

1.そこからどう思うか

2.どこからそう思うか

ですね。

1は作品内の事実から主観的に感じた意見を問い、

2は主観的に感じた意見の根拠となる事実を問う感じですね。

 

例として、抽象画とかぱっと見何をテーマとして描かれているかわからない場合でも、何かしら感じるものはあると思います。感じなかったとしても、ありのままを見た感想でも十分なアウトプットです。そこから掘り下げていくのがおもしろいところでして。

 

その絵を見て、

A「なんか黒一色だよな。何を思ってこんなの描いたんだ」

B「そこからどう思う?」

A「じっと見ていると底がないように見えて、吸い込まれそうな感覚になる」

C「でも、どこか力強くも感じるよね」

B「どこからそう思う?」

C「四角形全体が黒いから付け入る隙もなさそうに見えたし、黒って何色にも染まらない印象があるからかな」

A「そうそう。それに、ここまで黒一色だと潔いよな。純粋な作品だって思うよ」

B「どこからそう思う?」

 

って感じですかね笑 ただただBさんがめんどくさい人になってますが。ちなみに僕はこれを脳内でやってます。ぼっちを極めると体得できます(嘘です)。

 

上記の2つを問いかけることを繰り返せばここからさらに掘り下げることができますし、その問いに答えるためにも、よりその作品に目を凝らして観察するかと思います。

ちなみに例として挙げた作品はカジミール・マレーヴィチ(1879-1935)の「黒の正方形」ですね。至高主義ことシュプレマティスムを主張した代表的な作品でもあります。

 

ちなみにですが、その絵を見てひとつのショートストーリーを考えるのも楽しいですよ。一分間見つめてツイッターで呟ける程度の短い物語を作る。それも十分にアウトプットのトレーニングになるし、同時に作品との対話もできます。それらをしてはじめて、その作品に命が芽生え、新しい世界が拓かれます(とかっこつけたことを言ってみる)。解釈は人それぞれでもありますが、個々の意見が作品を彩らせることに間違いはないでしょう。

 

ちょっと熱く語ってしまいましたが、ここらで終わりにします。

それでは!